霊使いRPGの小話−精霊・妖精関連+α
小話というほど今回は関連してるわけでもないけど、そういう方面について。
細かな設定や世界観も小話として解説とかするつもりだったけど、進みが遅いため解説すると完全ネタバレになるので
紹介はまだまだ先になりそう。
さてどういう事かと言うと、霊使いたちが呼び出す、精霊とかの名前とかについての事。
精霊使いや召喚師はその名の通り精霊や神霊を使い、霊使いRPGでも元ネタとかに準じて精霊魔法のだいたいは
精霊を呼び出して色々するというスタイルを取っている。
けど、こういう精霊、意外とネタが少ない。
世界各国には色々なそういう話があって、数々の神話には色々な精霊や妖精がいるけど、
そのゲームの世界観や人物、職業に合わせて選ぶとなると意外と合うものが少なかったりする。
霊使いの場合も、6人それぞれに精霊を呼ばせるとなると色々と考えるのが大変。
遊戯王世界にはそれぞれの地域・地方の霊媒師などは割と多いけど広範囲な精霊使いorシャーマンが少ないというのもあり、
せっかくだから他のOCG世界の精霊モンスター等も活用して固有名詞の精霊にしたい所だけど、なかなか難しい。
四霊使いの場合は、わかりやすくそのまま四精霊を使う手もあるけど、その四精霊のOCGでの扱いは……
ウンディーネはよくわからないモンスター、ノームはまともに登場しないという扱い(Vノームはほぼ名前くらいしか判別不能)、
サラマンダーは剣だったりベクターだったり、シルフさんあなただけが頼りです。
そういう事情もあり、ヒータとウィンとダルクはとりあえずできたものの、他の3人はいまだ考案中。
とはいえエリアが呼び出しているのは《ウォーター・エレメント》なので、OCGモンスターを使えているという点で
固有名詞でなくても大して問題はなかったりする。
さてその精霊、神話とかの名前をそのまま使うにしろ改変するにしろ自作っぽくするにしろ、属性によって難易度が異なる。
特に闇属性の場合、日本語や英語では「闇」に関する言葉が少ないのがなかなか致命的。
似たような光属性と比べると強弱を表しにくく、またこれらの言語では黒も同じだけど善悪や使い道も分けられてないので技名にしろ結構苦労する。
他の属性に比べ、たいてい闇の精霊がシャドウだったりシェイドだったりするのはこういうのも原因だったりする(と思う)
他には、属性によってその精霊や妖精が(少なくとも人間からは)悪い、悪影響を及ぼす場合があるという問題はある。
水系の妖精は大抵人間を水に引き込みたがるし、ブラックとかダークとつく妖精は悪側である事が多い。
ただこれは、ドリアードが原典では結構悪そうだけどファンタジーでは大抵そうでもなくなってるように、そこまで影響がない事もある。
他にもワイトのような事もあるし。
そういう訳で遊戯王でも精霊の属性が偏っているとかDT関連の元ネタとかその他もろもろもあるため、色々な本を見て
精霊とかを探すというのはゲーム制作の一環として長く続けている。
ちなみにこういった文章を見て、軽くなにかでゲームを作りたいと思ったけどそこまで色々するのか……と思う人もいるかもしれないけど、
基本的にというかたいていの場合、コンビニとかにあるゲームの○○辞典とかで大抵の場合は十分だと思うので、
そこまで調べたくないという人というかほとんどの場合はそっちで事足りると思う。(念のため)
逆に言うと、ネタ元を知りたいとか、名前被りを避けたいとか、壮大な設定を練り上げたいとか、有名RPGを作りたいみたいな人なら、
きっちりとネタ元とかを探すのがいいかも。そういう意味ではテイルズシリーズの精霊の一部の名前は、上手い創作かつ一定の固有名詞になってる。
今回は、そういうのを調べている中の、一冊の事典の話。
割と珍しいものが載っているらしいという事で、図説の妖精百科を図書館で調べた所見つけたので、読んでみる事に。
評判通り結構コアなものやかなりマイナーなもの、意外と知られてないものと結構な数の妖精や精霊が。
いい本だなーと思いつつ見ていると、その中に一際変わった妖精を発見。
メキシコの妖精らしく、短いが強烈な内容だったので、そのまま引用してみる。
イフカル
毛むくじゃらで、背負い式ロケットという近代の装置を用いて空を飛ぶことができる。
>毛むくじゃらで
>背負い式ロケットを使って空を飛ぶ
お前のような妖精がいるか!
3行しか紹介文がないのにどこからどこまでもツッコミどころが満載で割とどこから何を言えばいいかわからないけど、
とりあえず妖精なのに自力で飛ばないでそんなよくわからないものに頼るのかというのと、
その前にどういう発想または力からそんな妖精が生まれたのとかというツッコミをしておく。
という訳でツッコミどころだらけの妖精だったけど、ありえないと思うまで疑問を感じないのは
よくわからないモンスターが登場しまくる遊戯王をやっているせいか……?
そういえば《ロケット・ジャンパー》なんてカードあったけど、あれって実はイフカルが元ネタだったりするのかな……?
何にせよこんなよくわからない妖精をゲームに出すのは色々とアレだ……。インパクトは強いけど。
他にもよくわからない妖精が何体かいたけどそれはおいておいて、遊戯王関連についても調べてみたら、結構色々とあった。
アイルランドのレプラホーンの女王の名前がピケルだとか、ウェールズの伝承にはブラックバードという
妖精の世界に誘うのがいたりとか、エレクウインダがデンマーク語で女エルフを表すとか、アニメ・OCG・DT関わらず色々。
その中でも詳しく解説されていたのが、レーギン(Regin)。知っての通り、《魔轟神レイジオン》の英語名と酷似(Ragin)。
これは北欧神話に登場するドワーフでシグルドの養父であり、とにかく黄金を手に入れようとするが
結局悪い心を持っていたのでシグルドに倒されてしまうという人物。
彼がシグルドに与えたグラム(バルムンク、ノートゥング)は古ノルド語で「怒り」を意味し、それからすれば
レイジオンと言う名前は怒り+レギンで、彼が剣を持ってるのを含めて割とそのままなネーミングになる。
ヴァルキュルスも北欧神話なので、魔轟神のシンクロは北欧由来……レヴュアタン?
もう一つ気になるのは、アーサーとワタリガラス。
ワタリガラスはその名の通りレイヴンだけど、アーサー王が死後姿を変えたのがレイヴンだという伝承がある。
イギリスでは有名な伝承らしく詳細は他と違い色々出てくるので省略するけど、そうなるとアーサーであろう
インヴォーカーとレイヴンの関係が気になる。
推測からするとインヴォーカーが帰還したのは、Xセイバーが急に収録されたDT13というのが全く根拠がないものと比べると有力だけど、
収録されたフォルトロールがDT13-JP013といういかにもな番号で、もちろんレイヴンもDT13に収録されている。
かといってそれ以上の何かがあるわけでもないので、含みがあるように思えるけどそれ以上は私では考え付かないから頭の片隅に残すだけにしとこう。
エアリアルやネフィリムもあったけど、目新しい記述はなかったので省略。
その他の気になった妖精で言えば、アーサー王関連に出てくるらしい「バリンシス」。
この妖精は妖精の船頭で、「先導者」として瀕死のアーサー王をアヴァロンまで船で渡したという。
水夫の言い伝えによればウェールズの海神で死者の神でもあり、聖バリンドとして聖人化されたとの記述もある。
さてここまで書いて気付いた人も多いと思うけど、ヴァンガードの《ブラスター・ブレード》のモデルとなった可能性が高そうな妖精。
ロイヤルorシャドウパラディンがアーサー王伝説のモチーフが多く、アルフレッドもまた妖精(精霊)であるエルフを名前に含んでいる。
……しかし、ブラスターブレードは主人公の使うエースユニットだし、だったら元ネタもっと知られてもいいんじゃないかな調べてる人多そうだし……
と思ったけど、むしろバリンシスで検索しても全く何も出てこない。
元々最初の紹介通りかなりマイナーな妖精・精霊は多いけど、似たようなものすら全く引っかからない。
でもアーサー王関連の妖精ならば、読んでる人も多いだろうし誰か紹介しててもいいはずなんだけど……なんで全く出ないんだろう。
ところでこれからすると、意外とヴァンガードにアーサーをモチーフにしたユニットまだいないのか。今の王はアルフレッドだけどどうなるんだろ。
検索で出てこないと言うと、遊戯王では貴重な「精霊王」である《精霊王ルクランバ》も、かなりマニアックで情報はかなり少ない。
オセアニアの地方に伝わってるらしいけど、全てのマサライ(精霊)を束ねる王であり、すさまじい力を持つ、という以外は不明な点が多い。
BIG5の一人が他に使ったオセアニア関連の精霊としては、エインガナとかあたりと比べ知名度が劣るみたい。だけならまだいいんだけど、
《イピリア》も《ヨーウィー》もFF10に出たりしてちょっと知られてるのに、ルクランバはそういう事がないのでそれらの中でもマイナーと言う有様に。
《アシニグライ》も同じような感じだけどこっちは割と紹介文があるため、やっぱりルクランバの事は知りずらい。
せっかくの精霊王という肩書きだし、もっと情報が欲しい所。効果も何となく四霊使いと相性がよくて霊使いサポートっぽいし。
他には北極光(Northern lights)が夜に踊るエルフである言われているというのもあり、シャーマンキングの主題歌の名前もこのあたりから?
それ以外には先史遺産カードにもなっているレイ・ラインが霊や妖精の通り道というのがあり、文字通りの「霊道」を表してる……?
と、このように精霊や妖精についてはネットに乗っていないものも多く(その分信憑性には欠けてしまうけど)、こういった本でわかるものも多い。
まあ霊使いとかシャーマン系統のキャラが好きだからと言ってこういうのまで読むべきかといったらそうでもないけど、
科学的懐疑主義とかでなければ(懐疑主義なのに霊使いやシャーマンが好きというのも変な話の気もするけど)、そんな時間もかからないので
図書館とかに言った時に読んでみるのもおススメ、という紹介なような形で今回は終了。